雨が夕日に変わるとき
第1章 雨が夕日に変わるとき
「じゃあ、さっそくなんだけど返事、言うね」
「うん」
「やっぱり、よく考えたんだけど、綾ちゃんのこと恋人とか恋愛とかそんな風には見れないや」
なんで、笑いたいのに笑えない。こうなることは分かっていた。分かっていたのにどうしてだろう。涙が頬を伝うのを感じる。笑え笑え笑え!
「無理しなくていいよ。ごめんね」
まるで私の心の中を読んだかのような言葉。眞子ちゃんは私のことをぎゅっと抱きしめた。眞子ちゃんの体温。心臓の音。回された腕。そのどれもにドキドキしてしまう。あぁ、やっぱり私は眞子ちゃんのことが好きなんだなって実感してしまう。