雨が夕日に変わるとき
第1章 雨が夕日に変わるとき
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数日後。
「おはよう」
「おはよっ」
バス停で親友の芹沢眞子(セリザワ マコ)。眞子ちゃんと待ち合わせをして一緒に学校に行く。中学までは歩きだったが、高校は山の上にあるため、バス通学だ。
「今日のテスト勉強した?」
「したよー」
「えー私してない。教えてよ」
「いいよ、ほんとに綾ちゃんは私がいないとダメなんだから」
ふわりと頭を撫でられた。これは眞子ちゃんの小学生の頃からの癖。分かっている。なのに、眞子ちゃんを意識してしまった今、ドキリとしてしまう。