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雨が夕日に変わるとき

第1章 雨が夕日に変わるとき


       ***

「ねぇねー今日でテストも終わりなわけだしカラオケでも行かない?」

「いいねー! 行く行く!」

 眞子ちゃんからの突然の誘い。いや、いつもテストの後はこうしてカラオケにいくわけだから突然ではないか。私はなけなしの千円をはたいて眞子ちゃんとカラオケに行く。

 カラオケでは、眞子ちゃんはかっこいい歌ばかり歌う。例えば、ビジュアル系とか……。デスボイスなんて決めちゃって、ハスキーボイスでかっこいい! 思わず見とれてしまう。

 歌っている眞子ちゃんのその柔らかな唇にキスをしたい。マイクを握る細い指に噛み付きたい。そんなことを考えているとだんだん歌が聞こえなくなってきた。まるでBGMのようだ。

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