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恋色~SS~

第7章 運命の彼女

結花「あ、‥そうみたい。」


智也「よかったな。そろそろ、手離しっ…。またか…。」


結花「?‥またって…。」


???「‥ぃか‥、ゆいか、ちゃーん。」


智也「おい、ちょっと…。」


彼女の手を自分の方へ体ごと引き寄せた。


結花「先輩?きゃっ…。」


胡座をかいていた足を跨ぎ、膝の上に結花が座り向かい合わせになる。


智也「…。」


結花「わ、私‥重いですよね。すぐに降ります。」


結花が膝の上から降りようとする。


智也「シーッ、静かに。あと降りるな。さっきのやつ、ここに来る。」


結花「え?」


智也「嫌だろうけど、このままココでじっとしてろ。」


結花の腰を左手で自分の方へ引き寄せる。


結花「っ‥先輩が、近い…。」


結花はキュッと智也のシャツにすがりついた。


智也「悪いな。」


男がドアを開けた瞬間、智也は右手で結花の後頭部を自分の方へ寄せた。


さっきと同じように口づける。


男「‥結花ちゃぁん。あ、居たー。さっきのは悪夢だと思って忘れるから、一緒に教室に…??!!」


結花「!?んんっ、‥‥んぁっ、‥はぁ…。」


男「ゆ‥いか、ちゃ…。」


男と目があったのを確認し、見せつけるように角度を変える。


結花の口内へと侵入し、味わうように深い口づけで舌を絡め合う。


智也「ん‥ハァ、結花…。」


結花「‥せん、ぱっ‥‥はぅ…。」


男「ぁあ、‥嘘だっ…。」


男は呆然と立ち尽くしていた。


小さな唇を解放すると、ゆっくり自分の肩に結花が顔を沈め頭を手で撫でる。


智也「ん‥、まだいたのか?それともまだ俺らに用?」


男「‥結花ちゃん、こんな‥見せつけるなんてヒドいよ。僕もう‥‥うっ、うわぁぁん。」


男は泣きながらその場を立ち去って行った。


足音が離れていったのを確認し、結花の頭と腰から手を放す。


智也「もう行った。‥二度も悪かったな。」


結花「…。」


智也「おい、どうした?」


結花は顔を伏せたままだ。

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