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恋色~SS~

第7章 運命の彼女

結花「…。」


智也「顔見せてみろ。」


結花「先輩。い、今は見ないでくださいっ///」


結花を起こし、膝に座らせたまま両手を頬に添え、こちらを向かせた。


智也「お前…。」


顔を見ると瞳を潤ませ、頬を赤く染めている。


結花「先輩のせいですからね…。」


智也「‥大丈夫か?熱でもあるのか?」


自分のおでこを結花のおでこに付け、体温を測る。


結花「ひゃっ///せ、先輩…。」


智也「じっとしてろ。」


結花はそわそわと落ち着きがない様子。


結花「はい。‥はぅっ。」


智也「熱あるみたいだな。保健室行くか?」


そっとおでこを離す。


結花「あ、ぁわゎ///きゅぅぅぅ…。」


結花がふらっと倒れるのを慌てて支えた。


智也「おい!」


結花「ぁ‥ぅ…。」


体を揺するがあまり反応が無い。


智也「ったく、仕方ないか…。」


意識の無い結花をそっと抱き上げ、保健室に向かうことにした―――。




―――保健室の扉を開けると、先生は居ない。


とりあえず結花をベッドに寝かす。


結花「‥ぅ…。」


智也「冷やすものと体温計、っと…。」


必要な物を探しにベッドを離れた。


体温計を棚の引き出しから、冷蔵庫で体の熱を取るシートを見つける。


再びベッドに近づき、結花の耳から体温を測る。


―ピピッ。


結花「‥ん、ハァ‥ハァ…。」


智也「‥37.5度…。」


智也(これ以上ひどくなる前に家に帰した方がいいか。)


結花の前髪をあげると、冷蔵庫から取ってきた冷たいシートをおでこに貼り付ける。


結花「‥ぁ。」


智也「よしっ、あとは薬か。」


智也は風邪薬を探しに棚へ向かい、手に取るとベッドへ戻る。


屋上から保健室に来るときに、自販機で買っておいた水をベッドに置く。


結花「んぅ…。」


ベッドの端に座り、結花の体を手で支えながら起こす。

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