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恋色~SS~

第7章 運命の彼女

―――知名家。


結花の自宅に着くと、先に鞄から出してもらった鍵でドアを開けた。


結花を背負ったまま二人で中へと入る。


智也(誰もいない‥か。)


智也「靴、脱がせるから‥降ろすぞ。」


目を覚ました結花が答える。


結花「はい…。」


智也は結花を降ろすと靴を脱がした。


智也「大丈夫か?このまま部屋に運ぶ。」


ひょいとお姫様抱っこで持ち上げた。


結花「きゃっ///」


びっくりして結花が動く。


智也「急に動くな。じっとしてろ。」


結花「はい…。」


ゆっくりと階段を上り結花の部屋に向かう。


結花の部屋は昇の部屋へ行く時は何度もドアの前を通るが、入ったことは一度もない。


部屋へ入ると、白や花柄がベースで青も少し混ざっていて綺麗に整頓されている。


智也「降ろすぞ。」


ベッドの近くへ行くと、結花をゆっくり降ろした。


結花「先輩、ありがとうございます。」


智也「俺に礼なんか言わなくていい。」


結花「あ、でも…。」


智也「早く横になれ。」


結花「はい。」


結花はブレザーを脱ぐと横に置いた。


そのブレザーを手に取ると、智也はハンガーにかけた。


智也「着替えるなら俺、部屋から出る。」


結花「あ、いえ。智也先輩…。」


出て行こうとしたが結花に呼び止められた。


智也「‥何?」


結花「あの、座薬入れてもらっていいですか?」


智也「‥は?」


智也は自分の耳を疑った。

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