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ミニスカート

第8章 開国港の休日

「LINEにもまったく返信ないし・・・」
女のコはまた困り顔になる。

そういえば、最近はLINEでしか話をしない人もいれば、LINEはあまり見ない人もいるなとたぬ吉は思った。

「電話してみたら」
とたぬ吉が提案すると女のコは困惑している。

友達だよな・・電話ぐらいすればいいのにとも思ったが、たぬ吉はあることを思った。
学生とかの場合、ケイタイやスマホを持つ場合は、料金を親が払うので、おカネ的な問題や、子供が犯罪や援交に巻き込まれないために制限が設けられる場合が多い。

SNSが使えなかったり、通話は家族にしかできなかったり・・このコのはLINEは使えるけど通話やメールに制限がかけられているのだろう。

「電話してみようか。電話番号分かる?」
女のコは手帳で電話番号を確認する。やはり通話は制限されているのかとたぬ吉は思った。

「キミの名前は?」 
「○○、よろしくです」女のコに笑顔が戻る。
「お友達の名前は?」 「☆☆ちゃん」

え~っ、え~っ。たぬ吉はびっくりして飛び上がりそうだった。
この土地ではBLACK SHIPの他にもけっこう頻繁にサブカルチャーイベントがあるのだが、☆☆ちゃんといえば、そのアイドルだ。

「ま、まさか・・アイドルの☆☆ちゃん?」
「うん」と○○ちゃんは頷く。

どうしよう~、アイドルちゃんの電話番号ゲットしてかけちゃってるよ~とたぬ吉は舞い上がる。

応答はなし。そりゃあそうだろう、いきなり知らない番号から電話あってもまず出ないよな。

よしと、たぬ吉は電話番号だけで送れる便利なメールであるSNSを送ることにした。

突然すみません、○○ちゃんが探していますので、連絡してください

うおお~っ、アイドルちゃんにメールしちゃった~。ボクってスゴいヤツだ~と、ポーカーフェイスの裏では舞い上がるたぬ吉。

だから舞い上がり過ぎだって。全然スゴいヤツじゃないから・・・

☆☆ちゃんから連絡があり、無事に○○ちゃんをお届けした。

キュア、プラパパ、ボクはスゴい魔法使いだと思ってたぬ吉は笑顔を浮かべる。
いや、あんたが使ったのは魔法じゃなくてケイタイだから・・まあ、少しの機転は使ったが・・

☆☆ちゃんも○○ちゃんを探し回ったみたいで息をはあはあさせている。

○○ちゃんを届けたことにお礼を言われるたぬ吉。

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