テキストサイズ

ミニスカート

第11章 キセキの街に最後の恋の旅

そんなカネがあるのなら、バツ2さんの街に行く旅行費用を貯めているのもあるし、あんなに好きだったキャバクラやナンパには不思議と興味がなくなった。

単身赴任先はキャバクラなんか1件もない田舎だし、小さい街だからナンパなんてすれば人目に付いてしまうから迂闊なことはできない。

そんな生活に馴染んでしまったのかと思うけど、違う。バツ2さん以外の女のコは夜のオカズにすることはあっても、デートしたり遊んだりする気がまったくなくなったのだ。

♪キャバクラもやめたし ナンパもしない♪と「あなただけ見つめてる」を替え歌にしてよく歌ったりして・・

若造りはしているが、もういい歳だし、こんなピュアに真剣に人を好きになるのはこれが最後だと思う。

しかし、超遠距離にある単身赴任した街に行くのはハードルが高い。旅行費用のこともあるし、いくらクソガーキを連れてラブライブと夏色キセキに出かけるといってもそんなに頻繁だとさすがに不審に思われるだろう。

そんな中、たぬ吉は年末に人事に呼ばれて大目玉を喰らった。殺人的に多忙なたぬ吉は有給休暇を取る暇なんてまったくなかった。

労働局の監査とかがあると全く有給休暇を取得しない人間がいるとブラック企業とか言われて問題になるのだろう。

昔は有給休暇なんて取らないのが美学で、あまり有給休暇を取るとイヤミを言われたりしたものだが、時代は変わった。

たぬ吉は新年から月に1日は有給休暇を取得することを義務付けられた。有給休暇を取得するのはいいが、そのせいでしわ寄せが来てなお殺人的多忙になるのはブラック企業じゃないのかと思ってしまう。

単身赴任の街に行くのはハードルが高いので、何とか誤魔化して行くのを遠回しにしていたが、段々誤魔化しがきかなくなってきた。

誤魔化すって何を・・バツ2さんや娘?いや、自分の中のバツ2さんと娘に会いたいという想いだろう。

たぬ吉は月一日は義務付けられた有給休暇を出張と偽ってバツ2さんと娘に会いに行く計画を立てた。

たぬ吉は大阪とか名古屋とか東京に会議等で出張することがたまにあり、それが金曜だとたまに会う仲間と飲み会になって帰れなくなってサウナやカプセルに泊まることがよくある。

金曜に有給休暇を取って出張だということにして出かけるのだ。

その日、まずは病院に行った。
健康診断の再検査の結果を取りにいくためだ。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ