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ミニスカート

第11章 キセキの街に最後の恋の旅

娘はとっても嬉しそうにニコニコしている。

「あのね、ママの笑ってるお顔大好きだけど、たぬちゃんがいる時の笑ってるお顔が一番好き」

「もう、おませさんなんだから、きゃはは」

晩御飯が終わっても他の客が入ってくることはなく、3人の時間は続く。たぬ吉はこの時間が永遠に続けばいいのにと思っていた。

「なんだかごめんね。今日はたぬちゃんパワー発動しないみたい」

たぬ吉がお店に来ると不思議と客入りが盛況になることが多いので、バツ2さんやバイトさんからいつしかたぬちゃんパワーと言われていた。

「ううん、たまにはこういう時もないと。今夜のたぬちゃんとの時間はご褒美なのかも・・」

娘はおねむになってきたのか足をだらしなく開くのでスカートから可愛いパンツが見える。

「パンツ見えちゃってるよ。足をちゃんとして」
たぬ吉は優しく注意する。

「平気だよ、男の人はたぬちゃんしかいないし・・」

「でもダメだよ。女のコのスカートの中はとっても大事だから、どんな時でも大切に守らなきゃ」

「は~い、気をつけます」

たぬ吉に優しく言われて娘は足をちゃんと閉じて大切にするよってカンジでスカートを抑えてにっこり笑う。

「はい、よくできました」とたぬ吉は娘の頭を撫でてあげる。

「きゃはは、たぬちゃん本当のパパみたい」

「パパだもん」

「たぬちゃんもよくできました。パンツ見えても喜んだりしないで、ちゃんとパパ対応しました・・さて、そろそろしまおうか」

たぬ吉も手伝って店じまいをする。なんだか本当に夫婦でお店をやっているようだ。

「あっ、そうだ。ちゃんとパパができたたぬちゃんにパンチラよりステキなプレゼント。あたしと娘から」

バツ2さんはたぬ吉にチョコを手渡す。ちょっと遅れたけどバレンタイン。

「もう、いつ渡すのかと思ったよ。忘れてるのかと思っちゃった」と娘。

「たぬちゃんが来るっていうから娘が一生懸命選んだのよね。あたしも選んだけど」とバツ2さんに言われて娘は得意そうな顔をする。

「ありがとう、今までの人生で一番嬉しいバレンタインです」とたぬ吉は娘を抱っこしてあげる。

「来年もチョコあげるからちゃんと来るんだよ、たぬちゃん」

「はい、分かりました」

たぬ吉と娘は微笑みをかわす。





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