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ミニスカート

第11章 キセキの街に最後の恋の旅

娘がおねむになったのでお風呂や歯みがきをさせて寝かしつけて、バツ2さんとの時間は居住空間に移る。

何回か居住空間でラブラブしたことはあるけど、女のコの部屋に入るのはやっぱりドキドキする。

娘はたぬちゃんと一緒にいたいみたいでがんばって起きてようとしたけど、「大丈夫、また遊びにくるから、おやすみ」とたぬ吉に優しく頭を撫でてもらって眠りに入った。

バツ2さんとたぬ吉は抱き合ってお布団へ。

「たぬちゃん、痩せたね」

「そう・・っていうかそんなに太ってなかったよボク」

「でも痩せた。あたしがいないと寂しい?」

「うん」

痩せたのだとしたらそれも大きな理由だろう。

「やっぱりな・・でも会社で大変な目に遭ったりもしてるんでしょ」

たぬ吉は自分のことをこんなに分かってくれるバツ2さんが嬉しくてギュっとする。

「うん、ちょっと大変な人がいてね・・」

「家だって家庭内別居だし・・でも、いつも大変なことを抱えてるのに負けずに笑顔でがんばってる。そんなとこ好きだよ」

昔恋人だった歳上のお姉さまにも同じことを言われたことがある。なんだか嬉しくなる。

「それから、大変でも誠実で人には優しいところも好き」

褒めすぎだよ・・

「誠実じゃないよ。離婚もできず、ちゃんと結婚してあげられないこんな状況を続けてごめんね」

「きゃはは、やっぱり誠実だ。ちゃんと結婚のことも考えてくれて・・ありがとう。でも、あたしは今の関係でいたいな。2回も失敗してるからなんだか疲れちゃった」

前のカレシと終わったのも結婚を意識して重くなったのかとたぬ吉は思う。離婚の原因は2回とも夫の暴力だった。この人も大変なことや苦労を抱えて生きてきたんだ。

たぬ吉はバツ2さんの体を撫でる。所々に痣の跡がある。元夫から受けた暴力の傷跡・・

「まだ痛む?」

体の傷はもう痛くはないだろう。でも、心の傷は簡単には癒えないのをたぬ吉は知っている。

「妬かないでね・・誰に優しく抱かれても痛みが消えることはなかった・・でも、たぬちゃんとこうしてると癒えていくの・・。たぬちゃん暖かい」

バツ2さんはたぬ吉の腕の中で幸せそうに微睡む。

「もし、たぬちゃんが離婚とかして一人になって寂しかったら、たぬちゃんとなら一緒に暮らしてあげてもいいよ」

「ありがとう」

たぬ吉はバツ2さんをギュっとする。

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