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ミニスカート

第12章 男子、万引きの代償

カツラを購入する時についに第一の犯行が行われた。

計画どおり女性の長い髪のカツラとハゲオヤジのカツラとパーティ用品を買い物カゴに入れる。

そして化粧品売場に人がいなくなったのを見計らって目をつけておいたのを素早くポケットに入れてなに食わぬ顔で他に買うものもカゴに入れてレジに行った。

内心ドキドキしていることは全く顔には出なかった。

「何か余興でもやるのかい?」とレジのおばちゃんがカツラやクラッカーを見て笑顔で訊いてきた。

「ちょっとバイトをしている会社でパーティがあって」

「楽しそうだね~」

レジのおばちゃんは楽しそうに会計を済ませてくれた。

あっけなかった。まんまと第一の万引きは成功した。しかし美人なおばちゃんだった。万引をするということはあのおばちゃんを騙して悪いことをしているようで気が引けたからその100円ショップでは二度と万引きはしなかった。

その後もスーパーの化粧品売場等でまんまとメイク用品などを万引きしてアイテムを揃えていった。

カツラや衣裳、下着、化粧品やメイク用品は大きなカバンに入れてコミケに向かった。ついに念願のコスプレデビューである。

ドキドキしながら着替えてカツラを着けてメイクをするとそこにはなりたかったアニメのキャラのような女のコがいた。

「あたし・・キレイ」

アキラは自分の男の娘姿にときめいてガマン汁で濡れてしまった。

男の娘というのはけっこういるもので、男性用の着替え部屋には入ってくる時は男だったのに女のコみたいな人がいっぱいいる。

どちらがキレイかとライバル心も芽生えたが、みんな女のコ用品をどうやって調達したのかスゴく気になった。

男の娘になって歩いていると本当の女のコと間違えてナンパをしてくる輩がけっこういる。

カマとかゲイとか身も心も女のコになりきっている人なら喜ぶかも知れないが、アキラは男はお断りだった。

女のコが好きで、だから女のコみたいな格好をして喜んでいるだけで、男には興味もない。それが男の娘というものだ。

大体のナンパはごめんなさいと言えば退散していったが、中にはしつこいヤツらもいる。
3人で取り囲んでずっとついて来るしつこ過ぎるヤツらに出くわした。

1人の女のコを3人で取り囲んでしつこくする男は最低だと思った。もし本当の女のコだったらどんなに怖い思いをするだろう。

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