恋愛成就の願いごと
第1章 恋愛成就の願いごと
「んー今日も疲れた」
「巫女さんっ」
社務所に戻ろうとした時、後ろから声が降りかかってきた。私は思わず後ろを振り返る。そこに居たのは、今朝の男の子だ。さっきの四人は見当たらない。
「ん? あれ? どうしたの? みんなと一緒じゃないんだ」
「はい。ちょっと抜け出してきちゃいましたので」
「あはは、悪いんだー。不良少年っ」
わざといたずらっぽく言う。可愛い子ほどいじめたいとはこのことをいうのだろうか。制服男子を可愛いと思うようになったとは、私も歳を取ったものだ。私の言葉に男の子は口を尖らせる。
「違いますよー」
「じゃあなによー?」
「その……今朝は急にすみませんでした!」
深々と頭を下げる男の子に笑いが込み上げた。律儀というかなんと言うか。
「いえいえ、気にしてないわよ。それに……ちょっと嬉しかったから」
「えっ?」
私の言葉に男の子は素っ頓狂な声を上げる。
「可愛いなんて久しぶりに言われたからさ。たくっ、抜け出してきた悪い子は早く帰りなさいっ!」
「あ、あの、明日のお昼の自由時間にここに来てもいいですか? 巫女さんのこともっと知りたいです」
男の子は俯くが、すぐに顔を上げる。心なしか頬が赤いのは夕日のせいだろうか?
「巫女さんっ」
社務所に戻ろうとした時、後ろから声が降りかかってきた。私は思わず後ろを振り返る。そこに居たのは、今朝の男の子だ。さっきの四人は見当たらない。
「ん? あれ? どうしたの? みんなと一緒じゃないんだ」
「はい。ちょっと抜け出してきちゃいましたので」
「あはは、悪いんだー。不良少年っ」
わざといたずらっぽく言う。可愛い子ほどいじめたいとはこのことをいうのだろうか。制服男子を可愛いと思うようになったとは、私も歳を取ったものだ。私の言葉に男の子は口を尖らせる。
「違いますよー」
「じゃあなによー?」
「その……今朝は急にすみませんでした!」
深々と頭を下げる男の子に笑いが込み上げた。律儀というかなんと言うか。
「いえいえ、気にしてないわよ。それに……ちょっと嬉しかったから」
「えっ?」
私の言葉に男の子は素っ頓狂な声を上げる。
「可愛いなんて久しぶりに言われたからさ。たくっ、抜け出してきた悪い子は早く帰りなさいっ!」
「あ、あの、明日のお昼の自由時間にここに来てもいいですか? 巫女さんのこともっと知りたいです」
男の子は俯くが、すぐに顔を上げる。心なしか頬が赤いのは夕日のせいだろうか?