お嬢様と二人の執事
第5章 漂
沙都子の体に綺麗な瑠璃色のブランケットをかけた高宮。
「一也さん、あのっ、このままじゃシートが濡れちゃう。」
焦った口調の沙都子を運転席に戻った高宮が一喝する。
「シートなんてどうでもいいです。今一番大切なのは貴女でしょ!黙ってブランケットを被っててください。」
エアコンの温度をあげ、車を走らせる。
そのまま車を街道沿いのホテルに滑り込ませた。
車を停めると沙都子を下ろし駐車場に作られた入口から中に入る。
部屋の写真がパネルになっていくつも飾ってあった。
高宮は光っているパネルの番号を押し
そのまま受付を済ませた。
鍵を受け取ると沙都子の手を取り、色気も素っ気もないエレベーターに沙都子を引っ張り込む。
エレベーターの扉が開くとそのまま選んだ部屋に入った。
部屋の中には大きなベッドが一つ。
「一也さん…ここ…。」
「そうですよ、いわゆるラブホテルです。もしかして初めてですか?」
部屋の中をきょろきょろと見回しながら沙都子は顔を赤らめ頷いた。
そんな沙都子をバスルームへと連れ込む。
バスタブに湯を張りながら立ち尽くす沙都子に視線を向ける。
「沙都子様、脱いでください。」
高宮の瞳には有無を言わさぬ強さがあった。