お嬢様と二人の執事
第5章 漂
沙都子side
暫く待ってみても、返事はなかった。
「一也さん!?」
思い切ってドアを開けると、脱衣場に蹲るように一也さんがしゃがんでいた。
「どうしたの!?」
剥き出しの背中に手を当てると、どきりとした。
「え…?」
なめらかな白い肌に幾つもの、傷跡。
それはとても古いもののように思えた。
以前、肌を合わせた時には気づかなかった。
「触るな…」
低い声が聞こえた。
「一也さん…」
バスローブを取ると、その素肌に纏った。
「すいません…。驚かせてしまいましたね…。」
「…大丈夫ですか?」
「ええ…少しのぼせたようです」
そっと腕に手を添えて支えると、一也さんは微笑んだ。
「ありがとう…。」
そのままソファまで二人でゆっくりと歩いた。
冷蔵庫から水を取り出すと、一也さんの手に握らせた。
「後で飲みますので…。」
そう言ってテーブルに置こうとするのを、受け取った。
「いけません…。水分を摂ってください」
キャップを開けて、手渡そうとするけど、微笑んで受け取ってくれない。
仕方がないから、一口含んで唇を近づけた。
一也さんの目が、驚いて大きく開かれた。
構わず唇を、押し付けて水を流し込む。
「沙都子様…。」
「いいから…飲んで下さい。お願い」
懇願するように言うと、諦めたように目を閉じた。
暫く待ってみても、返事はなかった。
「一也さん!?」
思い切ってドアを開けると、脱衣場に蹲るように一也さんがしゃがんでいた。
「どうしたの!?」
剥き出しの背中に手を当てると、どきりとした。
「え…?」
なめらかな白い肌に幾つもの、傷跡。
それはとても古いもののように思えた。
以前、肌を合わせた時には気づかなかった。
「触るな…」
低い声が聞こえた。
「一也さん…」
バスローブを取ると、その素肌に纏った。
「すいません…。驚かせてしまいましたね…。」
「…大丈夫ですか?」
「ええ…少しのぼせたようです」
そっと腕に手を添えて支えると、一也さんは微笑んだ。
「ありがとう…。」
そのままソファまで二人でゆっくりと歩いた。
冷蔵庫から水を取り出すと、一也さんの手に握らせた。
「後で飲みますので…。」
そう言ってテーブルに置こうとするのを、受け取った。
「いけません…。水分を摂ってください」
キャップを開けて、手渡そうとするけど、微笑んで受け取ってくれない。
仕方がないから、一口含んで唇を近づけた。
一也さんの目が、驚いて大きく開かれた。
構わず唇を、押し付けて水を流し込む。
「沙都子様…。」
「いいから…飲んで下さい。お願い」
懇願するように言うと、諦めたように目を閉じた。