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お嬢様と二人の執事

第5章 漂

高宮side



「や…めろ…」

記憶が蘇ってくる。

沙都子様の手が、傷跡を這う。

優しくて嫋やかな手なのに、あのごつごつとした手を思い出した。

「ああっ…」

頭が痛い。

ヤメロ…ヤメテ…イタイ…

「一也さん!?」

頭を抱え込んで蹲る俺の背中に、沙都子様が触れる。

「触るなっ…!」

思わず手を振り払う。

「なんで…泣いてるの…?」

泣いてる?誰が。

沙都子様の手が俺の頬に触れる。

その指先が濡れている。



泣いているのは俺だった。



沙都子様の手を取り、ベッドに押し倒した。

ベッドヘッドにある箱の中からコンドームを取り出すと、歯で封を開けた。

そのまま自分に装着すると、手荒に足を割開き、沙都子様の中に入った。

そこはもう湿っていて、容易に俺を受け入れた。

「淫乱が…」

ぎりっと歯を食いしばると、その奥に自分を叩きつけた。

「ああっ…待って…お願いっ…」

その細い背中が撓っても、構わず腰を振り続けた。

「気持ちいいんだろ…?こんなに濡らして…」

荒い息を吐きながら、沙都子様を心まで陵辱したい。

貫きたい。

いっそもう、身体の中に入って一つになってしまいたい。

この愛溢れる女の中に…。

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