お嬢様と二人の執事
第6章 過去
凍りついたように動けずに居ると、男がこちらを一瞥した。
チッと舌を鳴らすと、突然起き上がって俺の方へ歩いてきた。
見上げる素っ裸の男。
突然、頬を殴られた。
「この糞ガキ!のぞきなんかしやがって!」
その日から、地獄が始まった。
毎夜、襖の向こうから聞こえてくる母親の喘ぎ声。
ただの獣になった女なんか、母親じゃない。
でも小学生だった俺には逃げる場所がなかった。
ひたすら布団に包まり、耳を押さえて夜を過ごすしかなかった。
情事が終わると、決まって男が俺の部屋に入ってきて、気が済むまで俺を殴る。
時には焼けた火箸を持ってきて、俺の背中に当てて笑い転げた。
痛がる様がオカシイと。
どんなに悲鳴を上げても、どんなに泣いても。
獣になった母親は助けてくれなかった。
悲しそうな目をして、こちらをみているだけだった。
素っ裸で。
中学校に上がっても、それは続いた。
俺はストレスでどんどん痩せていく。
回りの友達も気づいていたが、誰にも言えなかった。
母親が、獣だなんて。
言えなかった。
どんどん様子のおかしくなる俺を心配して、担任が家を訪ねてくることもあった。
その度、俺は夜になると殴られた。
男はその圧倒的な力で、いつも俺をねじ伏せた。
抵抗する気力も失った俺は、ひたすらその暴力に屈するしかなかった。
チッと舌を鳴らすと、突然起き上がって俺の方へ歩いてきた。
見上げる素っ裸の男。
突然、頬を殴られた。
「この糞ガキ!のぞきなんかしやがって!」
その日から、地獄が始まった。
毎夜、襖の向こうから聞こえてくる母親の喘ぎ声。
ただの獣になった女なんか、母親じゃない。
でも小学生だった俺には逃げる場所がなかった。
ひたすら布団に包まり、耳を押さえて夜を過ごすしかなかった。
情事が終わると、決まって男が俺の部屋に入ってきて、気が済むまで俺を殴る。
時には焼けた火箸を持ってきて、俺の背中に当てて笑い転げた。
痛がる様がオカシイと。
どんなに悲鳴を上げても、どんなに泣いても。
獣になった母親は助けてくれなかった。
悲しそうな目をして、こちらをみているだけだった。
素っ裸で。
中学校に上がっても、それは続いた。
俺はストレスでどんどん痩せていく。
回りの友達も気づいていたが、誰にも言えなかった。
母親が、獣だなんて。
言えなかった。
どんどん様子のおかしくなる俺を心配して、担任が家を訪ねてくることもあった。
その度、俺は夜になると殴られた。
男はその圧倒的な力で、いつも俺をねじ伏せた。
抵抗する気力も失った俺は、ひたすらその暴力に屈するしかなかった。