
お嬢様と二人の執事
第6章 過去
「違う!」
「違うなら、きちんと神山のこと見てみなさい。今みたいな態度はとれないはずよ」
そういうと、白河のおばさんはにっこり微笑んだ。
わかってる…
だけど、俺には素直にあいつの言うことを聞くことなんてできなくなっていた。
「高宮。宿題終わったのか?」
ノックもしないで俺の部屋に入ってくる。
返事をしないでいると、ぬっと勉強机を覗き込んできた。
「…なんだよ」
「どこかわからないところ、あるか?」
微笑を浮かべながら、俺の顔を覗きこむ。
余裕さえ感じるその顔。
たった二つしか年が違わないのに、子供扱いされたようでむかついた。
「別に」
白河のおばさんに言われたことを思い出す。
こういう態度が甘えなのか…?
「わからないところはない…ありがとう」
目を見ていうと、少し驚いた顔をした。
「いつでも、見るから。頑張って勉強しろよ」
神山はそういうと、静かに部屋を出て行った。
それからは突っかかりそうになるのを、必死で堪えた。
じっと神山を見ていると、わかってきたことがあった。
神山は最初からなんでもできるわけじゃない。
実は不器用な部類。
何度も何度も失敗を重ねて、それでも挫けずに向かっていく。
眩しいくらい、まっすぐだった。
その姿は、回りのものを動かした。
敵わないと思った。
「違うなら、きちんと神山のこと見てみなさい。今みたいな態度はとれないはずよ」
そういうと、白河のおばさんはにっこり微笑んだ。
わかってる…
だけど、俺には素直にあいつの言うことを聞くことなんてできなくなっていた。
「高宮。宿題終わったのか?」
ノックもしないで俺の部屋に入ってくる。
返事をしないでいると、ぬっと勉強机を覗き込んできた。
「…なんだよ」
「どこかわからないところ、あるか?」
微笑を浮かべながら、俺の顔を覗きこむ。
余裕さえ感じるその顔。
たった二つしか年が違わないのに、子供扱いされたようでむかついた。
「別に」
白河のおばさんに言われたことを思い出す。
こういう態度が甘えなのか…?
「わからないところはない…ありがとう」
目を見ていうと、少し驚いた顔をした。
「いつでも、見るから。頑張って勉強しろよ」
神山はそういうと、静かに部屋を出て行った。
それからは突っかかりそうになるのを、必死で堪えた。
じっと神山を見ていると、わかってきたことがあった。
神山は最初からなんでもできるわけじゃない。
実は不器用な部類。
何度も何度も失敗を重ねて、それでも挫けずに向かっていく。
眩しいくらい、まっすぐだった。
その姿は、回りのものを動かした。
敵わないと思った。
