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お嬢様と二人の執事

第6章 過去

神山に比べて、素直でも努力家でもない俺なんて、なんの価値もないように思えた。

それに俺は…

あんなことされた、汚らわしい子供だ。

神山に敵うはずはない。

そんな思いに打ちのめされた夜。

あの日の夢を見た。




あの男が、酒臭い息を吐きながら俺にのしかかってくる。

服を毟るように剥ぎ取ると、にやりと笑った。

無理やり俺の身体をうつ伏せにしたかと思うと、お尻に何かが当たった。

また焼けた火箸を当てられたのかと思うくらい、熱いものが後ろに押し当てられた。

次の瞬間、身体を引き裂かれるかのような痛みが走った。

悲鳴のような声が、勝手に喉の奥から出てくる。

「やめて…いたい…」

訴えても、男の動きは止まることはなかった。

痛くて痛くて、全ての感覚が無くなった気がした。

なにをされているのかわからなかった。

ただ、身体を痛みが走っていく。

汗がこめかみを伝っていく。

腰を持ち上げられ、四つん這いにさせられる。

ふと見ると、内ももを鮮血が滴っていた。

初めてここで、俺は犯されているのを知った。

同級生が密やかに俺に教えてくれた、大人の秘め事。

それを今、男に施されているのがわかった。

俺は男なのに…なぜ…

なぜこんなこと…

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