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お嬢様と二人の執事

第9章 雪の降る街

高宮side



沙都子様の手が俺のベストを脱がす。

静かに、俺の素肌が現れるまで沙都子様の動きを注視する。

「一也…」

掠れた声が聞こえて、その目を見る。

潤んだ瞳が俺を見上げている。

「どうしたの…?」

眉に掛かる前髪をかきあげて、その表情を伺う。

「抱きしめて…」

消えそうな声が聞こえた。

そっと腕を回して、その細い身体を抱きしめる。

抱く度に、俺の中の汚いものが浄化されるようだった。

こうやって抱きしめているだけでも。

沙都子様の唇が、俺の胸に押し付けられる。

「あ…沙都子…」

沙都子様は構わず俺の胸の先端を口に含む。

「ん…ぁ…」

ぴちゃぴちゃと音を立てて、沙都子様の可愛らしい唇が俺を弄ぶ。

「気持ちいい…?」

「うん…とても…」

一生懸命俺に快楽を与えようとしてくれる。

まるで俺の心の隙間を埋めるように…

無心で沙都子様は、俺を救おうとしてくださっている。

その心が痛いほど伝わってきた。

その快楽に揺蕩っていると、沙都子様の手が俺のベルトを外し始めた。

そのまま手は俺のボトムの中に入ってきて、俺を掴む。

「あ…もう…?」

頬を染めた沙都子様が俺の顔を見上げる。

「当たり前だよ…」

そう答えて、沙都子様に覆いかぶさる。

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