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お嬢様と二人の執事

第10章 旅立ち


なんでこの人にわかってしまうんだろう?

ずっと感じている漠然とした不安。

お祖父様に大事な友だちを紹介して一歩を踏み出した…はず。

でも…不安な気持ちは少しも消えなかった。

卒業式を迎えて華やかな気持ちでいられたのはわずかな間で…巣立つことの寂しさとなによりも、いつも側にいてくれた二人と離れるのが不安だった。

いつも側にいた麻紗と絢。
二人はいつも寄り添って、沙都子を支えてくれた。

そんな二人とも別れの時が来た。

今、側にいてくれる神山と高宮だって…。

不安が不安を呼ぶ状態だった。

全てを忘れてしまいたかった。
今、この瞬間だけでもいいから何も考えずにいたいと思ってしまった。

高宮はそんな沙都子の気持ちを汲んでくれた。

沙都子が高宮と離れられないのはきっとこういうところなんだと思う。

この人が天才的な感覚で人の心に入って、寄り添ってくれる。

今日、この日に自分の側にいてくれるのが高宮で良かったと沙都子は思ってしまった。

「一也…お願い…めちゃくちゃにして…いっぱい気持ちよくなりたいの…。一也で私をいっぱいにして…。」

気がつけば胸を揉みしだく高宮にその身を凭せかけ、うわごとのように強請ってた。

「素直な沙都子は可愛いね…。今晩はたっぷり可愛がってあげるよ。なにも我慢しなくていい、限界まで感じて…。」

後ろ振り向く沙都子に濃厚なキスを落とす。

「んっ、んんっ…一也っ…もっと…」

強請る沙都子に次ぎなる刺激を与えていく。

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