
お嬢様と二人の執事
第10章 旅立ち
「沙都子様、そのまま前を見て…。」
「え?」
素直に前を見た沙都子は絶句する。
高宮に後ろから抱かれて、片肌を出した襦袢姿の自分がいた。
鏡ほど鮮明ではないが沙都子の部屋の窓の外にはこの時間、漆黒の闇が広がる。
そのせいで窓が鏡の役目をする。
「いやっ」
あまりに淫らな自分の姿に沙都子は目を瞑り、顔を背ける。
「嫌じゃないです。ちゃんと見て…すごく綺麗だ」
「いや、恥ずかしい…。」
「でもその恥ずかしいのも沙都子でしょ?ありのままの自分を見て。」
「ありのまま…?」
「そう、淫らな沙都子も、寂しい沙都子も、不安な沙都子も全部、俺にとっては愛おしい人だ。
だからその人のことを沙都子も見て?」
高宮の言葉が落ちてくる…。
こんな私でもいいの?
目にしたはしたない姿の自分。
その自分を…受け入れていいの?
沙都子はそっと目を開け、視線をゆっくりと窓に映す。
その姿を後ろから見ていた高宮は満足したのか右手で晒した胸を揉みながら左手を沙都子の太ももに滑らす。
正絹の襦袢は沙都子の汗ですでにしっとりと重く張り付いている。
合わさっている部分から手を滑り込ませ、太ももを割り開く。
突然のことに咄嗟に脚を閉じようとする沙都子。
その脚を高宮が自分の脚で抑える。
左ひざを折り曲げ、大きく開いた脚の間の隠された場所に触れる。
そこはしとどに濡れ、小さく収縮していた。
