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お嬢様と二人の執事

第11章 桜

「こんなの…おかしいよね…?」

沙都子は麻紗の手を離した。

「私、二人ともと寝てる…」

「え?ちょっと…沙都子…」

絢が沙都子の腕を掴んだ。

「あんた…何してんのよ…」

「私…最初、騙されて…レクチャーだって…」

「え…ちょっと待ってよ…何のレクチャーだって?」

「セックスの…」

「えっ?神山さんが?高宮さんが?」

「二人とも…」

「東堂の子女には必要なレクチャーだからって言われて、仕方なく抱かれたわ…」

「そんな今時…」

「でもあの時の私には…わからなかった…!」

「さと…」

「そんな…あの人達、とてもそんな風には見えない…」

「でも本当は…二人とも…」

沙都子が言いよどんでしまうと、絢と麻紗は目を合わせた。

「言いな…沙都子…苦しいんでしょ?」

「絢ちゃん…苦しいよ…」

「全部いいなよ…聞くから…」

絢と麻紗が沙都子の手を握った。

「大丈夫だよ。嫌いになんかならないから」

「安心して言いな?沙都子」

二人の言葉に、沙都子は目を閉じた。

涙が止めどなく頬を伝っている。

「二人とも、私のことを愛してくれていたの…最初はどうだったかわからない。でも…身体を重ねるうちに…」

沙都子が下唇を噛んで、黙りこんだ。

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