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お嬢様と二人の執事

第11章 桜

絢と麻紗はどう言葉を継げばいいか、わからなくなっていた。

沙都子の話は倫理に反する。

だが…沙都子のこの想いは、決して浮ついたものではないように思える。

「二人は…沙都子が二人を愛し続けても良いって思ってるのかな…?」

「え…?」

沙都子が涙に濡れた顔を上げる。

「もし、二人ともそう思っているのなら…沙都子、素直な気持ちで居ても良いんじゃないかな…」

「絢ちゃん…」

「…私もそう思う」

麻紗が口を開いた。

「あのね、さと…これは嫌な意味に捉えないで欲しいんだけど…」

そう言って、一旦言葉を切った。

ハーブティーを口に含むと、飲み干してまた喋り出す。

「あんな魅力的な男性が傍にいて、しかも自分のこと愛してくれていて、こんな幸せなことってないよ…」

「麻紗ちゃん…」

「私、高宮さんのことちょっと好きだった。でも、沙都子に惚れてるのなら、諦めてあげる」

「そんな…」

「いい?さと。これはね、さとがとても魅力的な女性だから起こったことなの」

「うそ…私なんかトロいし…全然美人じゃないし…」

「なんでそう自己評価が低いの?沙都子は私達の友達だよ?レベル高いんだよ?自信持ちなよ!」

絢が自信満々で胸を張った。

「だからね、沙都子。堂々と二人の男、愛しちゃっていいんじゃない?二人がそれでいいのならね」

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