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お嬢様と二人の執事

第12章 主人と執事と上司

久しぶりに三人で館に入る。

この頃は沙都子も本邸で過ごすことが多くなったが、まだ館が主な住居だ。

沙都子が本邸に寝るときは、神山も本邸に移る。

高宮は2年前と変わらず、本邸で寝起きしている。

神山と高宮が厨房で夕食を用意し、沙都子の部屋に運ぶ。

その後三人で軽く食事をし、一緒に風呂に入った。

それぞれ物思いに耽りながら、汗を流すとそのままの姿で寝室に入る。

無言でベッドに入ると、沙都子は神山と高宮を抱き寄せた。

「明日の予定は…?」

「明日はなにもございません」

神山が答えると、沙都子は微笑んだ。

「じゃあ、ゆっくりできるのね…」

そう言って神山の顔を引き寄せた。

軽くキスをすると、今度は高宮の顔を引き寄せる。

「あなたも明日は何もないの?」

「はい。沙都子様」

高宮は微笑むと沙都子にキスをする。

「沙都子…」

その甘い声を合図に、三人はベッドの上で絡みあう。

沙都子の身体を二人の手が滑っていく。

「あ…ゆっくり、して?」

「うん…」

高宮が余裕のない表情で答えると、沙都子はクスっと笑って高宮を握りこむ。

「あっ…沙都子…」

「悟、ねえ…」

「うん…?」

「一也とキスして?」

「えっ」

「見たい」

可愛い顔をして、沙都子は神山にねだる。

神山と高宮は心底困った顔をしている。

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