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お嬢様と二人の執事

第13章 未来への階

「貴女の考えていることをわからないようでは補佐役失格です。神山さんだって同じだと思いますよ?

最近、よく読んでらしたでしょ?絢様が携わって業績回復したメーカーのレポート。
それからグループ内のアパレル部門業績レポートも。

最近、わが社の繊維部門の業績が思わしくないですからね。
それらから導き出しただけですよ。」

高宮の見事なまでの推察に沙都子がますますふくれた。

「沙都子様、そのような顔は外ではなさらないでくださいね。社員への示しがつきませんし…。」

言いながら沙都子のデスクに歩み寄る高宮。
沙都子の座るチェアーをくるっと回転させる。

「それに…可愛らしすぎてつい襲いたくなりますから。」

言うが早いか、沙都子のあごに手をかけその唇をふさぐ。

濡れた音が室内を満たすまで互いの唇をむさぼりあう。

夕暮れ時のオフィスで行われる淫らな行為。

高宮の手が沙都子の胸元に伸びたところでタイミングよく高宮の業務用の携帯が鳴った。

小さく舌打ちをすると高宮は何事もなかったかの如く受話スイッチを押した。

「はい、高宮です。」

その声を聴いて沙都子も意識を切り替えた。

電話が終わって高宮が沙都子に向き直る。

「沙都子様、ヘッドハンティングの件を絢様に打診されたんですか?」

話がもとに戻ったので沙都子もその話に意識を合わせる。

「え?あっ、まだなにも言ってない…。」

気まずそうな顔をする沙都子に高宮がまずは連絡を取ることを進めた。

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