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お嬢様と二人の執事

第13章 未来への階

高宮に言われた沙都子は素直に絢に連絡を取ることにした。

「あっ、どこで会うのがいいかしら…。高宮、どこかいいお店ある?」

話す内容もだが沙都子の立場が学生時代とは違いすぎる。

そのあたりの店でというわけにはいかず沙都子は迷い始めた。

「それでは…屋敷にお呼びしてはいかがですか?」

「え?家に?」

「ええ、屋敷でしたら周りに気を使う必要もありませんし、お泊りいただくこともできますし…。一緒に麻紗様もお呼びになってはいかがですか?」

「麻紗ちゃんも?」

「今後のグループの運営を考えるとコンプライアンスやリスク回避のためにも法律の専門家の手助けが必要な場面が増えると思いますが…。」

高宮の目に光が宿る。
その瞳の見る先にある未来。

それは沙都子が見ようとしているものと一致していた。

その未来を実現するために…絢や麻紗の存在は必ず大きな力になると高宮は確信していた。

そしてそれは神山も同じだった。

だからこそ、神山の領域である屋敷への招待を提案した高宮。

沙都子を支え、守るためには協力者は多いに越したことはない。

沙都子たちが社会にでて数年が経ちそれぞれの立場は学生時代からすると大きく変わった。

卒業時には描くことができなかった未来を今は明確に描くことができる。

それほどにこの数年の彼女たちの成長は素晴らしいものだった。

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