お嬢様と二人の執事
第1章 沙都子
マイバッハの扉を開ける者がいる。
そっと沙都子を覗き込むと、口の端を引き上げた。
沙都子の身体の下に手を入れると、ふわりと抱き上げた。
身長はそう高くはないが、軽々と沙都子を抱き上げる。
漆黒の髪が額に掛かる。
「沙都子様…」
そっと囁くと、沙都子を抱き寄せた。
髪に顔を埋めると、また口の端を引き上げる。
そのままアプローチを歩き出す。
重厚な入り口の扉の前に立つと、静かに扉が引き開けられた。
「高宮さん、どうされたのですか?」
「沙都子様は眠ってしまわれた。お部屋まで運ぶから、扉を」
「はい」
静かに階段を登り始めた。
沙都子の部屋に入ると、真っ直ぐに寝室に向かう。
昼間、沙都子の喜んだ天蓋付きのベッドに、その身体を横たえる。
青のドレスに付いているスパンコールが、キラキラとその若い肢体を彩っている。
高宮はそっと沙都子の顎に手をかけた。
「お嬢様…いつかきっと…」
そう言うと、そっと唇を重ねた。
その時、沙都子が身動ぎをした。
「ん…かみやま…さん…」
高宮は心臓を掴まれる思いだった。
予想外のことだった。
もう神山が沙都子の心を掴んでいるなど、思っても見なかった。
「は…やるなぁ…」
高宮は漆黒の髪をかき上げると、また口の端を引き上げた。
「でも、負けませんからね?」
そっと沙都子を覗き込むと、口の端を引き上げた。
沙都子の身体の下に手を入れると、ふわりと抱き上げた。
身長はそう高くはないが、軽々と沙都子を抱き上げる。
漆黒の髪が額に掛かる。
「沙都子様…」
そっと囁くと、沙都子を抱き寄せた。
髪に顔を埋めると、また口の端を引き上げる。
そのままアプローチを歩き出す。
重厚な入り口の扉の前に立つと、静かに扉が引き開けられた。
「高宮さん、どうされたのですか?」
「沙都子様は眠ってしまわれた。お部屋まで運ぶから、扉を」
「はい」
静かに階段を登り始めた。
沙都子の部屋に入ると、真っ直ぐに寝室に向かう。
昼間、沙都子の喜んだ天蓋付きのベッドに、その身体を横たえる。
青のドレスに付いているスパンコールが、キラキラとその若い肢体を彩っている。
高宮はそっと沙都子の顎に手をかけた。
「お嬢様…いつかきっと…」
そう言うと、そっと唇を重ねた。
その時、沙都子が身動ぎをした。
「ん…かみやま…さん…」
高宮は心臓を掴まれる思いだった。
予想外のことだった。
もう神山が沙都子の心を掴んでいるなど、思っても見なかった。
「は…やるなぁ…」
高宮は漆黒の髪をかき上げると、また口の端を引き上げた。
「でも、負けませんからね?」