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お嬢様と二人の執事

第13章 未来への階

翌朝、早めに起きた3人。

絢と麻紗は一旦家に帰ってそれぞれ車で来ると言って朝食後、帰っていった。

「沙都子様、昨夜は楽しまれたようで…。」

自分の支度をするために普段の生活の場である自分の館に戻った沙都子に神山が言う。

「悟さん、絢ちゃんと麻紗ちゃんに嫉妬してるの?」

「嫉妬…しますよ。あんなに仲の良いところを見せられたら。お二人が女性で良かった。で、なければ…。」

「やだ、そんな怖い顔、しないで?」

沙都子はそういうと神山の正面に立ち手を伸ばして神山の頬を包む。

そのまま背伸びして神山の肉厚な唇に自分の薄い唇を重ねる。

触れるだけのキスのつもりだった沙都子のキスは神山によって深いものになる。

「んっ、ダメ…、支度っ、しないと」

沙都子が慌てたように神山の胸を押す。

「帰ってきたら続きをいたしましょう?昨日の夜はお預けを喰らいましたから…覚悟なさってくださいね。」

そういう神山の声に別の声が被る。

「残念だな、神山さん。今夜は俺の晩だから。」

「一也…突然入ってくるなよ。」

「執事はノックなしで主人の部屋に入っていいものなのは神山さんも知ってるでしょ?」

「お前、今、執事じゃないじゃん」

思わず神山は小声で反論する。

その様子に沙都子は小さく笑いながら支度するために自分の部屋に入っていった。

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