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お嬢様と二人の執事

第13章 未来への階


都内から首都高、外環を経由して関越道で旧軽井沢へ。

2時間ちょっとで東堂家の別宅があるエリアに到着した。

車内では神山が絢に話しかけ、高宮は麻紗のテンションに引き摺られるように珍しくよく話している。

その様子を沙都子は後ろからにこにこと眺めていた。

軽井沢に着く頃には4人はまるで旧知の仲のように話すようになっていた。

沙都子はその声に包まれるように眠っていた。

「沙都子様、到着しましたよ?」

神山の声で起こされた沙都子。
絢たちはすでに車外にいた。

「え?着いたの?」

「はい、亘様もお待ちですよ。」

「ごめんなさい、今行きます。」

そう言ってスカートの裾をなおし、神山の差し出す手を取った。

軽井沢の割と奥まったエリアにある東堂の別邸。

周りを林に囲まれ、聞こえる音は風の通る音や鳥の鳴き声くらい。

車の音さえ聞こえない。

綺麗な空気に包まれて沙都子の背が伸びる。

「あっ、さと起きた?」

「気持ち良さそうに寝てたもんね?そういうところは変わらないんだね、沙都子」

くすくすと笑う二人に沙都子の顔が赤くなる。

その様子を神山と高宮が微笑みながら眺めていた。

「沙都子様、ようこそいらっしゃいました。」

そこに一つ声が加わる。

亘について軽井沢に身を置くことにした城の声だった。

「城さん、お久しぶりです。腰の具合は大丈夫ですか?」

沙都子は城に話しかけながら別邸の玄関をくぐっていく。

それに4人も続いた。

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