
お嬢様と二人の執事
第14章 遠い道
「すまん一也。プライベートの携帯だ…」
「どうぞ。構いませんよ」
神山は部屋の隅に行って、スマホを操作する。
「もしもし。兄さん?」
神山の背中が少し緩んでいる。
なんだか嬉しそうに高宮には見えた。
「えっ?事故!?」
高宮が、あまりの神山の慌てように驚いて車を出すことを申し出た。
「神山さん…そんなに狼狽えるなんてびっくりしましたよ」
「いや…すまん…」
神山はいらいらと貧乏ゆすりまでしている。
高宮のレクサスに乗り込んでも、神山の表情は変わらなかった。
「落ち着いてよ…神山さん」
「ああ…すまん…」
さっきから謝ってばかりだ。
そうは思っても高宮も、もうどう言っていいのかわからなくなってくる。
「ああ…しまった屋敷のことを…」
神山が頭を抱える。
「大丈夫ですよ…加藤に伝えておきましたから」
加藤とは神山に最近ついている執事見習いだ。
優秀な男なので、神山も高宮も信頼を置いている。
「すまん…」
また神山は謝った。
珍しいこともあるものだと高宮は思った。
指定された病院に着くと、神山は駆け出していった。
「あっ!ちょっと神山さんっ…」
高宮の制止も振り切って、病院の中を全力疾走していった。
「なんだ…あれ…」
「どうぞ。構いませんよ」
神山は部屋の隅に行って、スマホを操作する。
「もしもし。兄さん?」
神山の背中が少し緩んでいる。
なんだか嬉しそうに高宮には見えた。
「えっ?事故!?」
高宮が、あまりの神山の慌てように驚いて車を出すことを申し出た。
「神山さん…そんなに狼狽えるなんてびっくりしましたよ」
「いや…すまん…」
神山はいらいらと貧乏ゆすりまでしている。
高宮のレクサスに乗り込んでも、神山の表情は変わらなかった。
「落ち着いてよ…神山さん」
「ああ…すまん…」
さっきから謝ってばかりだ。
そうは思っても高宮も、もうどう言っていいのかわからなくなってくる。
「ああ…しまった屋敷のことを…」
神山が頭を抱える。
「大丈夫ですよ…加藤に伝えておきましたから」
加藤とは神山に最近ついている執事見習いだ。
優秀な男なので、神山も高宮も信頼を置いている。
「すまん…」
また神山は謝った。
珍しいこともあるものだと高宮は思った。
指定された病院に着くと、神山は駆け出していった。
「あっ!ちょっと神山さんっ…」
高宮の制止も振り切って、病院の中を全力疾走していった。
「なんだ…あれ…」
