
お嬢様と二人の執事
第14章 遠い道
「兄さん…」
いつの間にか神山が話を聞いていたようだ。
「まだそんなこと言ってるの?兄さんの絵はとても良いと思うよ?」
「悟…。お前は兄弟だからそう見えるんだよ」
「いえ、智紀さん。僕も好きですよ。この絵」
高宮はスマートフォンに写る絵を眺めながら言った。
「そんな、高宮さんまで」
にこっと笑ったその顔が、誰かに似ていると高宮は思った。
誰だったろう。思い出せない。
「お世辞でも嬉しいです」
その後夕食を食べ終わった三人は、帰路についた。
沙都子が屋敷に戻るまでに帰らねばならない。
「じゃあ兄さん。ここで」
智紀のアパートの前で、挨拶をした。
「ああ、ありがとうな。今日はすまなかった」
「いいよ。弁護士寄越すから、交通事故の話は弁護士通してね」
「わかったよ。ありがとう」
「智紀さん」
「はい?」
「今度、絵を見せて下さい」
「あ、はい。いつでもどうぞ。連絡先は悟に聞いて下さい」
「ありがとうございます。では後日連絡いたします」
窓を閉めると、智紀は軽く手を振った。
神山が振り返して、高宮は車を発進させた。
「すまなかったな…。私用に付きあわせて」
「いいえ…。色々な神山さんが知れて、大変興味深かったです」
「どういう意味だそりゃ…」
いつの間にか神山が話を聞いていたようだ。
「まだそんなこと言ってるの?兄さんの絵はとても良いと思うよ?」
「悟…。お前は兄弟だからそう見えるんだよ」
「いえ、智紀さん。僕も好きですよ。この絵」
高宮はスマートフォンに写る絵を眺めながら言った。
「そんな、高宮さんまで」
にこっと笑ったその顔が、誰かに似ていると高宮は思った。
誰だったろう。思い出せない。
「お世辞でも嬉しいです」
その後夕食を食べ終わった三人は、帰路についた。
沙都子が屋敷に戻るまでに帰らねばならない。
「じゃあ兄さん。ここで」
智紀のアパートの前で、挨拶をした。
「ああ、ありがとうな。今日はすまなかった」
「いいよ。弁護士寄越すから、交通事故の話は弁護士通してね」
「わかったよ。ありがとう」
「智紀さん」
「はい?」
「今度、絵を見せて下さい」
「あ、はい。いつでもどうぞ。連絡先は悟に聞いて下さい」
「ありがとうございます。では後日連絡いたします」
窓を閉めると、智紀は軽く手を振った。
神山が振り返して、高宮は車を発進させた。
「すまなかったな…。私用に付きあわせて」
「いいえ…。色々な神山さんが知れて、大変興味深かったです」
「どういう意味だそりゃ…」
