
お嬢様と二人の執事
第14章 遠い道
「そして、親弘兄はとても優秀だった。俺は親弘兄のようになりたくて、必死に頑張ったんだ。
でも…頑張れば頑張るほど、優秀な兄に殺されるような感覚に陥ってね。
あの当時、追いつくことなんて不可能だと思ってしまったんだよな…。
だから人生に絶望した」
「そんな…たかが中学生だろ?」
「中学生だからだよ。世界が極端に狭いだろう?」
「まあ、な…」
「それを救ってくださったのが、亘様だったんだ…」
「え…?」
「死のうとしてた俺を…諭して、そして東堂のお屋敷に入れてくれたんだ」
「ほんとに?」
「ああ…飛び降りようとしてたんだ。海に。ベタだろ?」
「うん…物凄く…」
「たまたま静養にきてらした亘様が城さんと一緒に来て、俺を東堂の屋敷に連れて行ってくれたんだ」
「…命の恩人なんだ…」
「ああ…そうだよ」
神山はふっと笑うと、高宮の頬を手のひらで包んだ。
「だから沙都子様を絶対に幸せにしたいんだ」
「神山さん…」
「まさかおまえと二人で沙都子様を愛することになるとは思わなかったけどな」
そう言って笑って高宮にキスをした。
「智紀兄さんは…病気をしてるんだ」
「え?」
「俺はもう東堂に来ていたから、詳しいことは知らないんだが…。
兄さんはあれから変わった気がする」
でも…頑張れば頑張るほど、優秀な兄に殺されるような感覚に陥ってね。
あの当時、追いつくことなんて不可能だと思ってしまったんだよな…。
だから人生に絶望した」
「そんな…たかが中学生だろ?」
「中学生だからだよ。世界が極端に狭いだろう?」
「まあ、な…」
「それを救ってくださったのが、亘様だったんだ…」
「え…?」
「死のうとしてた俺を…諭して、そして東堂のお屋敷に入れてくれたんだ」
「ほんとに?」
「ああ…飛び降りようとしてたんだ。海に。ベタだろ?」
「うん…物凄く…」
「たまたま静養にきてらした亘様が城さんと一緒に来て、俺を東堂の屋敷に連れて行ってくれたんだ」
「…命の恩人なんだ…」
「ああ…そうだよ」
神山はふっと笑うと、高宮の頬を手のひらで包んだ。
「だから沙都子様を絶対に幸せにしたいんだ」
「神山さん…」
「まさかおまえと二人で沙都子様を愛することになるとは思わなかったけどな」
そう言って笑って高宮にキスをした。
「智紀兄さんは…病気をしてるんだ」
「え?」
「俺はもう東堂に来ていたから、詳しいことは知らないんだが…。
兄さんはあれから変わった気がする」
