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お嬢様と二人の執事

第14章 遠い道

「親弘兄は、智紀兄さんには手を出していなかった筈だ。
もし一也が見たことが本当なら、あの病気を境に何かあったのかもしれない」

「神山さん…」

「おまえ、何を考えてる?」

高宮は唾を飲み込むと、頭に描いた青図を神山に話した。

最初は目を見張っていたが、徐々に神山の目に力が宿っていった。

「それは…もし上手く行けば、いろんなことが解決するな…」

「ええ」

神山は高宮の顔をじっと覗き込んだ。

「いい子だ」

にやりと笑うと高宮をベッドに押し倒した。

「ちょっ…神山さんっ…」

「いいだろ。ちょっとくらい」

高宮のシャツのボタンを外しながら、神山は何かを考える顔になっている。

「俺が、智紀兄さんに確認する」

「いいんですか?辛かったら私が…」

言いかけると、神山は高宮の首筋にかぶりついた。

「あっ…」

小さな吐息を聞いて神山は満足したように笑う。

「こんなこと、身内じゃないと言えないだろ。智紀兄さんは、ああ見えて繊細なんだよ」

高宮の首筋から胸板まで、神山の唇が滑っていく。

「胸がないな…」

「当たり前じゃないですか…」

「一也…頼みがある」

「…なんですか?」

「握ってくれ」

高宮の手を神山は自分へ導いた。

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