
お嬢様と二人の執事
第3章 もう一人の執事
沙都子の躰から一度抜け出ると抱き寄せた高宮。
「沙都子っ…愛しています。貴女のすべてが欲しい…今だけでいいです。どうか俺だけを見て」
高宮の真剣な瞳に射すくめられる。
「一也…お願い…私を愛して…」
ゆっくりと沙都子の躰を横たえる。
まっすぐな瞳で沙都子を見ると高宮は沙都子の足を抱え上げ再び沙都子の中に身を沈めた。
「ああっ…、一也…」
「沙都子っ」
再び高宮が律動を開始する。
抱え上げられた両脚が高宮の肩に担ぎ上げられ挿入角度が変わる。
「あんっ、一也、好き、もっと、ね?
ちょうだい…」
「沙都子様っ、沙都子っ、好きだ…俺だけを見て」
そこには高宮の切ない願いが籠められていた。
どんどん激しくなる律動に沙都子は翻弄される。
「あっあっ、だめ、また…くる、なにかがくる、いやぁ…ダメ、ダメなのっ」
「いいよ、狂えよ、俺で狂えよ…自分を偽るなよ…」
「あっあっ、イク、イっちゃう、ダメっ、あ、あ、あ、あぁっ、ああああっっっ」
沙都子が達すると内側が一気に締め付ける。
その締め付けに高宮は抗えなかった。
そのままゴムの中に自らの欲望を吐き出す。
そのまましばらく抱き合っている二人。
その二人を月明かりだけが見守っていた。
