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お嬢様と二人の執事

第3章 もう一人の執事


「沙都子様…お風呂の準備が出来ております。お疲れかと思いますが汗を流してからお休みください。

その間に私がこちらを整えておきますゆえ」

すっかり身なりを整えた高宮が何事もなかったかのように言う。

その落差に混乱する沙都子。

ガウンを肩から掛けられ、バスルームに促される。

沙都子はあたたかなお湯に身を浸しながら昨日、今日とその身に起こったことを思い起こす。

私は…。

昨日、神山の腕に抱かれた。

そして神山に対する気持ちが何であるかをわかった気がした。

それなのに…レクチャーとは言え、今日は高宮の腕に抱かれ、昨日よりももっと淫らに、はしたないほどに感じてしまった。

私は一体…。

せっかくわかり始めた気持ちが再びわからなくなる。

私は…。

神山さんが好きなの?
それとも…高宮のことが?

この時点で答えは出ているはずなのに先ほどまでの快楽の記憶が判断を鈍らせる。

もやもやしたまま着替えてバスルームを出る。

寝室に戻ると飲み物がベッドサイドに置かれているだけで高宮の姿はそこになかった。

正直、それにホッとした沙都子は乾いた喉を潤す。

答えは出ないまま…沙都子は眠りの淵に落ちていった…。

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