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お嬢様と二人の執事

第4章 二人

「なんだか今日の沙都子様こわーい…」

部屋から出ると貴子が、優子に話しかける。

「ねー。なんでかなあ。昨日とは雰囲気が全く違うよね…」

「なにかあったのかなあ?」

「心配だね…私達のことも、呼び捨てだったね…」

「うーん…でも、ご主人だから、これでいいんじゃない?」

「そうだねえ…」

沙都子の着ていたパジャマを抱えて、二人は廊下を歩いて行く。

廊下で佇む高宮には気づかない。

高宮はそっと二人の様子を伺っていた。

「沙都子様…」

二人の会話から、沙都子が荒れていると高宮は悟った。

その時、神山が沙都子の部屋に入ってくのが見えた。

白河も伴っている。

「…お手並み拝見させていただきますよ…」

そう言うと、沙都子の部屋の隣にある部屋に入っていった。




「沙都子様、おはようございます」

「白河さん…!」

「今日のおぐしは、白河が整えます」

「そう…よろしくね」

沙都子は微笑むと、鏡台の椅子に腰掛けた。

「では、失礼致します」

神山が部屋の隅に立った。

「本当に…沙都子様の御髪は綺麗です事…」

「そんな…ただの猫っ毛です…」

「柔らかくて、素直な髪です」

白河が微笑むと、鏡の中の沙都子も微笑んだ。

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