
お嬢様と二人の執事
第4章 二人
それは雪芽がよく好んでしていた髪型だった。
白河が、雪芽が幼い頃から施していた髪型だ。
「よくお似合いですよ」
前髪を横に流して止め、サイドの髪を編みこみにし、後ろで纏める。
纏めた部分に、青のベルベットのリボンをあしらっている。
肩に垂らした髪は、毛先を少しカールさせてある。
白いブラウスに、青いロングスカート姿の沙都子に、よく似合った。
カーディガンを沙都子に着せながら、白河は微笑んだ。
「神山さん、沙都子様お綺麗でしょう」
「し、白河さんっ…」
神山は焦って後ずさる。
そんな姿がおかしくて、沙都子は吹き出してしまう。
「正直に仰りなさいよ」
白河が凄むと、神山は渋々口を開く。
「…とてもお綺麗だと思います」
沙都子の心臓が高鳴った。
「お世辞でも嬉しいわ…」
そうつぶやくと、白河の顔が曇った。
「そう思うものじゃありませんよ…沙都子様」
「はい…ごめんなさい…」
白河は道具を片付けると、一礼して部屋を出て行った。
神山はドアを閉めると、沙都子に向き直った。
「沙都子様…」
「なに…?」
「本日の予定は全てキャンセルいたしました」
「え…?」
「ですから…本日は、なんなりと私にお命じください」
一礼し、頭を上げると沙都子の顔を見つめた。
白河が、雪芽が幼い頃から施していた髪型だ。
「よくお似合いですよ」
前髪を横に流して止め、サイドの髪を編みこみにし、後ろで纏める。
纏めた部分に、青のベルベットのリボンをあしらっている。
肩に垂らした髪は、毛先を少しカールさせてある。
白いブラウスに、青いロングスカート姿の沙都子に、よく似合った。
カーディガンを沙都子に着せながら、白河は微笑んだ。
「神山さん、沙都子様お綺麗でしょう」
「し、白河さんっ…」
神山は焦って後ずさる。
そんな姿がおかしくて、沙都子は吹き出してしまう。
「正直に仰りなさいよ」
白河が凄むと、神山は渋々口を開く。
「…とてもお綺麗だと思います」
沙都子の心臓が高鳴った。
「お世辞でも嬉しいわ…」
そうつぶやくと、白河の顔が曇った。
「そう思うものじゃありませんよ…沙都子様」
「はい…ごめんなさい…」
白河は道具を片付けると、一礼して部屋を出て行った。
神山はドアを閉めると、沙都子に向き直った。
「沙都子様…」
「なに…?」
「本日の予定は全てキャンセルいたしました」
「え…?」
「ですから…本日は、なんなりと私にお命じください」
一礼し、頭を上げると沙都子の顔を見つめた。
