
お嬢様と二人の執事
第4章 二人
神山は心臓を鷲掴みにされた。
その微笑みは、汚れを知らない純真な少女のようだった。
あんなに淫らに乱れた沙都子を知っているのに、神山の心はまた奪われた。
「この紅茶の入っていた缶なの?」
沙都子が無邪気に聞いてくると、神山はなんとか自分を取り戻した。
「はい…ティーバッグなのですが、味はよろしいかと思います」
「そう…」
沙都子は可愛らしい唇でカップに唇を付ける。
その口元を神山はじっと見つめた。
「美味しい…」
「ようございました。おかわりもご用意しておりますので」
「神山もここに座って」
沙都子は向かいの席を指した。
「しかし…」
「いいから。お座りなさい」
また元の冷たい口調に戻ったのを感じた。
「神山も紅茶を」
「恐れいります」
神山は自分の分の紅茶を淹れると、沙都子の向かい側に腰掛けた。
遠くを見るような目で、沙都子を見つめた。
沙都子が再びカップに口を付けると、神山もそれに倣った。
茶葉のいい香りが、二人の口に広がった。
沙都子は混乱していた。
昨夜、高宮と通じあったと思ったのに、冷たく突き放されたと思った。
その前の晩、神山にも同じことをされた。
朝目覚めた時、男なんてと思った。
好きにされるくらいなら、好きにしてやろう。
そこまで思ったくらいだった。
その微笑みは、汚れを知らない純真な少女のようだった。
あんなに淫らに乱れた沙都子を知っているのに、神山の心はまた奪われた。
「この紅茶の入っていた缶なの?」
沙都子が無邪気に聞いてくると、神山はなんとか自分を取り戻した。
「はい…ティーバッグなのですが、味はよろしいかと思います」
「そう…」
沙都子は可愛らしい唇でカップに唇を付ける。
その口元を神山はじっと見つめた。
「美味しい…」
「ようございました。おかわりもご用意しておりますので」
「神山もここに座って」
沙都子は向かいの席を指した。
「しかし…」
「いいから。お座りなさい」
また元の冷たい口調に戻ったのを感じた。
「神山も紅茶を」
「恐れいります」
神山は自分の分の紅茶を淹れると、沙都子の向かい側に腰掛けた。
遠くを見るような目で、沙都子を見つめた。
沙都子が再びカップに口を付けると、神山もそれに倣った。
茶葉のいい香りが、二人の口に広がった。
沙都子は混乱していた。
昨夜、高宮と通じあったと思ったのに、冷たく突き放されたと思った。
その前の晩、神山にも同じことをされた。
朝目覚めた時、男なんてと思った。
好きにされるくらいなら、好きにしてやろう。
そこまで思ったくらいだった。
