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恋空予報

第8章 生徒会

二宮side



「ばか…///」

「え、ちょ…かわいっ」




相葉が思いっきり俺を抱き締めた。



きついけど、相葉のいい香りがして
心地いい。



俺が顔を上げて、相葉を見上げたら、
察してくれたのか、顔を近付けてきた。



相葉の唇があと数㎝のところで、
玄関の開く音がした。




「兄ちゃんただいまーっ!」



っ、相葉の弟?


相葉が「ごめんっ」って立ち上がって
俺から離れて弟の方に向かった。



…ちょっと嫉妬してる俺もいる。



弟…ゆうくんだっけな。


そのがいつも楽しそうに話てる子。


…仲、いいのかな。


来年は一緒に小学校に行くのか…



「誰だっ!」

「こらっ!そんな口利かないの!」

「いてっ!」



相葉がゆうくんの頭をぺしっと叩いた。


…兄弟だな。



「ゆう、この人はね、
ニノちゃんって言うんだよ。」

「ふーん、そのちゃんの兄ちゃんでしょ?」

「へ?知ってるの?」



「当たり前だばかっ!」
って頭を叩かれてる相葉。


…かわいいな。



「ゆうくん、そのがいつもお世話になってます」

「そのちゃん、俺にくれる?」


…はい?



いや、え、待って待って。


話の流れ、急すぎんだろ。



「…お嫁さん…ってこと?」

「うん…」



…そのがいいなら、いいけど…。



俺は、そのが幸せなら、
…いいかな。



「…そのに聞いてみて?
俺はわかんないや…。

…相葉、生徒会の仕事、しておいてね。
お邪魔しました」

「え?帰っちゃうの?」



…これ以上、相葉の幸せを
邪魔しちゃいけない気がして。



俺なんかがいたら、幸せな家庭が
崩れてしまう、そんな気がして。


そのが待つ家に自転車を飛ばした。

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