
恋空予報
第9章 番外編 俺の気持ち
一瞬、何が起こってるのか
理解ができなかった。
…え、キス…?
思考がストップして、
なんにも考えられなくなって。
「あの、せんぱ…」
俺が言う前に、
唇を塞がれた。
壁に押し付けられて、
背中が痛かった。
それより、胸が苦しくて、
痛くて。
「…あっ、せんぱ…」
「っ、なにやってんだろ。
ごめん。軽蔑、した?」
そんなことない。
だって、俺だって……。
俺は先輩に背伸びしてキスした。
そしたら、先輩はわかったみたいで。
「いいの?」
「……はい」
先輩はにこっと笑って
俺にキスした。
初めてじゃないのに、
なんだか緊張して。
お互いの唇が震えていたことを
俺たちは笑っていた。
「翔、めっちゃ唇柔らかい…」
「せ、先輩も……」
「先輩じゃ、やだな」
……それから、恥ずかしかったけど
下の名前で呼ぶようになって。
「……翔、ねえ?」
「ん?」
潤が「聞いてる?」って
俺にキスする。
いや、聞いてなかったな。
「明日、俺ん家来てね」
「うん。部活のことでしょ?」
「ま、それもあるんだけど…」
ごにょごにょっと言う潤。
明日は…初めて、潤の家にいきます。
