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恋空予報

第10章 思い出

二宮side





今から来るって、そんな…



…顔、合わせづらいよ、あいばか。



「にぃに、だれとおはなししてたの?」

「んー?にぃにのお友達だよ
ほら、この前会ったでしょ?」



そのは「あの人かっ」って
納得したように首を振る。



…あ、そうだ。



そのはもう小学生になるんだ。



ランドセル、買ってやらないとな…



「その、ランドセルは何色がいい?」



俺たちの頃はさ、赤か黒しかなかったのに
今ではたくさん種類がある、らしい…



そのは考え込んで
ぱっと顔を上げた。



「…やすいのでいいよ」

「え?なんで?ピンクとかさ、あるでしょ?」



安いのって…遠慮しなくていいんだけどな…



そのは俺に抱き付いた。



「…その、がまんするもん
何色だっていいもん。くろはいやだけど。」

「……子供が遠慮してんじゃねぇよ」



俺はそののおでこに
デコピンをした。


そのはおでこを押さえて
俺を見上げた。



「……なんでもいいの?」

「あぁ、なんでも買ってやるよ」

「…なら、ピンクがいいな…
ピンクでかわいいのがいいっ!」

「うん、わかった。
にぃに、見つけてくるからな」



俺はそのの頭をくしゃっと撫でた。



嬉しそうに笑うその。



俺たちが笑い合ってたら
家のチャイムが鳴った。



「はい…」

「ニノちゃん!これっ」



相葉が俺の目の前に差し出したのは
小さな紙袋。



…これ、まさか…



俺が相葉を見上げたら
相葉はにこっと笑った。



「誕生日おめでとう。
遅れちゃってごめんね…?」

「っ、そんなことないよ!」



俺は相葉に抱き付いた。

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