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恋空予報

第15章 すれ違い

相葉side




「んぅ?」



起きたら、隣には
ニノちゃんの寝顔。


かわいいなあって思って
その寝顔を見ていたら、
もぞもぞと動き始めて。



俺の服の裾をきゅっと握って
頬をすりすりしてきた。



「まさき…」

「ん?」

「昨日の子、誰?」



…昨日の子?

俺が昨日のことを思い出そうとするけど
全然わかんなくて。

あ、二日酔いはしてないみたい。



「…しらばっくれないでよ。
……昨日のさ、女の子……。」



昨日の女の子、昨日の女の子…?


俺が考えてると、
ぴんっとくるものが一つあった。



「あ、佐々木さん?」

「…別に名前なんて聞いてないし…」



ニノちゃんはぶつぶつ言って
布団からでた。


俺はそれを追うようにして
布団からでた。



「ニノちゃん、嫉妬?」

「違う…」



ふいって顔を逸らされて
ちょっと心が痛む。


…佐々木さん、
いい子だと思うんだけどなあ。


ニノちゃんのことだから、
嫉妬したんだろうけど。


「……あの子さ、
雅紀のことが好きなんじゃない?」

「え?」

「佐々木さん……って子さ、
雅紀のことが好きなんじゃないって。」



そんなわけないじゃん。

確かに良くしてくれるけど
そーゆー感情は抱いてないと思う。



「…雅紀だって、あんなかわいい子に
ベタベタされたら気分いいでしょ?」

「なにそれ……」



気分いいとか、
思ったことないし。

なんでニノちゃんに
言われなきゃなんないの?

俺がなんにも言わないでいると
ニノちゃんはぽろっと言葉を出した。



「なにそれって…
こっちの台詞だし。

昨日だって遅くなるって言ったから
ずーっと待ってたのにさ。

雅紀は酔ってるばっかりで
アイツにでれでれしちゃってさ。

……そうだよね。
男の俺より女の子の方がいいんでしょ?
子供だってできるし、世間にだって認められる。

男の俺より……いいんでしょ?」



ニノちゃんはそう言いきって
ぽろぽろ涙を溢した。


そしたら、掛けてあった
コートを掴んで家から飛び出した。


財布も携帯も持たずに。


俺は反論も言えず、
ただ立ち尽くしていた。

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