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恋空予報

第16章 旅行

二宮side



…やっちゃったなあ…


思いっきり雅紀を叩いちゃって
それが顔面にヒット。

雅紀はソファーに倒れ込んだ。


俺がどうしたもんかと考えてると
固定電話が鳴った。



「…はい、にの…相葉ですけど。」

「あ、二宮先輩?」



…声の主は、櫻井。



「んだよ。お前かよ。」

「なんですかあー。いいじゃないですか…
あ、そーいや雅紀は?」

「…気ぃ失ってる。」

「え、そんな激しくしたんですか?」

「あほかっ!誰が朝からそんな
卑猥なことするかっ!」


俺が怒鳴ったら櫻井は
ケラケラと笑い始めた。


「ですよね笑二宮先輩、
基本受けですもんねー笑」

「シバくぞ」

「へへっ、すいませーん」


そのまんま櫻井と話し込んで
気付けば十分以上話してた。


…櫻井も雅紀って呼ぶんなら
俺は雅紀じゃ嫌だなあ…



俺だけの雅紀なんだからさ、
俺は雅紀のこと特別扱いしたい。


「んう…」


雅紀がソファーから
体を起こした。


「あ、起きた?
ごめんね?痛かった?」

「んー、」



まだ寝惚けてんのか、
俺を引き寄せてキスをした。


「ちょ、くすぐったい、ってぇ…」


雅紀の唇が
首筋に触れた。


それに反応しちゃって、
ちょっと高い声が出ちゃった。


「…ニノ、かわいい」


に、ニノ?

俺が新しいあだ名で呼ばれて
びっくりしてると、雅紀は
「だめ?」って首を傾ける。



「や、だめ、ではない…」

「じゃあいい?」

「けどぉ…っ」

「けど?」



雅紀が頬に軽くキスする。

そのまんま、額やら顔やら
至るとこにキスされて。


「恥ず、かしぃ…」

「んふふ、かーわいいの」


俺の頭をわしゃわしゃと
撫でる雅紀。


…ばかあ。


俺ばっかドキドキするなんて、
ずるいでしょ。

俺、もう三十手前の
いい歳した男だからな?


「…まあくんのばか…。」

「…へ?」



…反応遅っ


俺はまあくんから
顔を逸らした。

こんな恥ずかしいと思わなかった。



「ニーノ。」

「…うっさいなあ!
ばかばかばかっ!!」



まあくんが俺の頭を
撫でてくれる。

それが嬉しくて
くすぐったくて。

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