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恋空予報

第16章 旅行






その口付けは
だんだん深くなっていく。



言葉よりも心のほうが答えになるから。



「雅紀…プロポーズ二回とか
どんだけ結婚したいんだよ」

「えへへ、それだけニノがだーいすき」

「んふふ、俺もー」



そう言ってニノは
俺に抱きついた。


時計を見ると、もう八時。


「あ、朝食そろそろだね。
ニノ、行こ?」

「うんっ」



ニノの小さな手を俺の大きな手で
すっぽりと包み込む。



ニノは大きなスリッパを
ぱたぱたと鳴らしながら
俺の後をついてきた。


…ふふ、かーわいいの。



「んっ、この魚美味しい…」

「ふふ、よかったー」



ニノがそのも連れてきたいなあって
お茶を飲みながら言う。



「そのも来るならゆうくんも来るかなあ。
ふふ、その、喜ぶだろうなあ…

今度そのたちと四人で――「もうっ!」



俺はニノちゃんの唇を
手で塞いだ。



「朝からそのちゃんそのちゃんって…

俺と来てるんだから俺のことだけ
考えてよっ!
妬いちゃうよ!?」



周りの人はなんだなんだ?って
視線を送ってる。



「ごめんごめん…

…雅紀、妬いてくれたんだ」

「なっ…違うし…」



ニノちゃんは嘘つけーって
ケラケラ笑う。

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