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松本side



…あ、雨降ってきた。


翔…大丈夫かな。



ぽつぽつと降り始める雨。

それがいつの間にか、
ザーザーと激しくなる。



「…どうしよ。」



風邪でも引いたら、
どうしよう。


俺は暫く、窓の外を
じっと見ていた。



仕事…しよう。


俺はパソコンに向かって
作業の続きを始めた。





「…終わったぁ…」



イスの上でぐいーっと
伸びをする。


出来上がった資料を
部長の机の上に置いて
いつもより遅い帰り支度を
始めた。


俺は折り畳み傘持ってるけど、
翔は持ってないんだよな。



「…翔、大丈夫かな。」



ぽそっと呟いた
その声は誰にも
届かずに掻き消された。


そのうち、雨の勢いは
激しくなってきて。


雷が鳴り始めた。



「…やばいな。」



翔は雷が苦手だ。

引っ付いて
離れなくなるくらい。



今スマホを出したって
雨に濡れたら壊れる。


…どうしよ。

雨宿りできる場所なんて
どこにもない。

コンビニだって、
近くにない。


寄ったら遠回りになる。


いいや。もう。

そのまま直接
家に行くのが
早いだろう。