
恋空予報
第19章 君に精一杯の愛を
「んー、この唐揚げおいし~♪」
「だろ?ここの定食うまいんだよ。
潤の行き付けなんだよね。」
…ふぅん。
翔ちゃんも松本先輩に
ぞっこんなんだね。
まぁ、わかるけど。
「翔ちゃん、唐揚げちょうだ――「嫌だ。」
…ですよね。
俺がへこんでたら、
皿の中に唐揚げが一個増えてた。
「こんな食えないから、
あげる…。」
「わぁ、ありがとー!
翔ちゃん優しいー!」
「うるせーよ!」
…ふふ、素直じゃないんだから。
俺は唐揚げを口に運びながら、
ニノと連絡を取っていた。
『今日の夜はパスタだよ。』
「やったぁ…」
思わず、声に出してた。
「何がやったなの?」
「ふふ、今日の夕飯は
パスタなの♪」
「それだけ?」
「うんっ」
翔ちゃんは呆れて、
ため息をつく。
「普通、それだけで
嬉しくなるの?」
「うん、なるなる♪」
だって、ニノのご飯なら
何でも美味しいし、大好きだもん。
「よーしっ、仕事頑張ろ。」
俺は食器をおばちゃんに渡して、
会社に戻った。
