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恋空予報

第19章 君に精一杯の愛を

二宮side



「いっぱい買っちゃった…」



スーパーからの帰り道、
重たいエコバックを
引き摺るようにして歩く。


特売日って知らなかったから、
慌てちゃったよ。

あーあ、絶対雅紀に怒られる。

こんなに必要ないでしょ?って。


わかってるけど、
仕方ないじゃん?

安いときにたくさん買った方が
得じゃない?


「あ、雅紀っ!」

「え、…あ、ニノ!」


仕事帰りの雅紀に偶然会って、
二人で帰ることになった。


「わ…たくさん買ったね。」


そう言いながら俺が持ってる
ビニール袋やらエコバックを
持ってくれる雅紀。

…なんにも言ってないのに、
ほんと、優しいな。


「ふふ、今日はパスタだもんね。」

「いや…違うんだよね。
特売日だったから
たくさん買っちゃって…。

こんなに必要ないんだけどね?」

「でも、いいじゃん?
パスタにいれられるものは
いれちゃったらどぉ?」


雅紀がニノは可愛いなあって
言いながら階段を上る。


…もう。

俺は雅紀の眩しい笑顔にやられて
ちゃんと前を見れなかった。

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