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恋空予報

第19章 君に精一杯の愛を






「雅紀、お風呂入っていいよ。
ご飯作っておくから、ね?」

「わかったぁー。」



雅紀はスーツをハンガーにかけて、
お風呂場へ向かう。


さらさらと揺れる髪の毛が
愛おしくて仕方がない。

最近、ご無沙汰だしね。

雅紀も俺も忙しくて、
なかなかケアできない。



「…ふぅ、」



ぽーっとしてたら、
麺が湯だってた。


買ったもので使えそうなものは
あんまりなくて。

あ、でも、キノコは使えるかも?



「あ……美味しそう。」



思ったよりいい出来で、
雅紀に早く食べてもらいたかった。


別に…美味しいって
言われたい訳じゃなくて、
雅紀に早く食べてほしいだけ。

けど、美味しいって言われたい。



……ちょっと矛盾してる?

ふふ、そうだよね。


あんまり素直になれないから、
雅紀には迷惑かけてる。

もちっと、素直になれたら
いいんだけどな。



「ふぁー、気持ちよかったぁ。
あ、美味しそーっ!」



雅紀がまだ濡れてる髪の毛を
拭きながら席につく。



「ドライヤーで
ちゃんと乾かしたの?

風邪なんか引いたら
俺、困るんだけど。」

「えー?俺はニノと一緒にいれる
時間が増えるから嬉しいけど?

あ、でも風邪引くのは
辛いから嫌だなあ。」



そんなこと言いながら、
俺の作ったパスタを食べる雅紀。


…馬鹿。



「んー、うまい。
ニノの作る料理は
世界一、ううん。

宇宙一美味しいね!」

「大袈裟。
そんな美味しくないよ。

この前潤くんの食べたら
そっちの方が美味しかったもん。」



俺がそう言ったら雅紀が
なに言ってるの?って言う。



「俺は松本先輩より
ニノの料理の方が好きだもん。」

「…ありがと。」


俺、幸せを実感してます。

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