恋空予報
第19章 君に精一杯の愛を
「…あ、」
翔ちゃんは松本先輩を見て
気まずそうに目を逸らした。
…そういうことか。
喧嘩でもしたのかな?
「翔ちゃん。」
「なに?」
「…あの、えっと…」
どうしよう。
なにも考えないで
喋っちゃったよ…。
「あ、えっと…そう!
今日、飲みに行かない?」
「…行く。」
ちょっと不機嫌だけど…
なんとかなりそう?
「じゃあ、仕事頑張ろうね!」
「うん」
気のせいかもしれないけど
翔ちゃんの顔が明るくなった…
気がした。
特になにもなく、
一日が過ぎた。
ニノからの連絡もなし。
…朝からいないけど、
どこに行ったんだろう…?
そんな心配してたら、
もう準備ができた翔ちゃんが
目の前に立っていた。
「行こ?」
「あ、うん。」
俺は翔ちゃんの前を歩いた。
そしたら、手を繋がれた。
「翔、ちゃん…?」
「…こうしてちゃ、
だめかな…?」
潤んだ瞳で見つめられ、
不覚にも胸が高鳴ってしまった。
「全然、だいじょぶ…だけど。」
「ならよかった。」
にこっと俺に向かって微笑み、
また歩き出したた俺たち。