恋空予報
第19章 君に精一杯の愛を
……あれ?
目を覚ましたら、
居酒屋で酔い潰れてる俺たち。
…何でこうなったんだっけ…?
…翔ちゃんの話を聞いて、
二人で愚痴って…。
あ、そうか。
それでヤケ酒ってわけね。
やっと思い出した。
「翔ちゃーん…。」
潰れてる翔ちゃんを
揺さぶってみる。
…反応なし。
「しょーうーちゃーんー。」
ぐわんぐわんと揺さぶったら、
ぱちっと開いたくりくりお目目。
ぽってりした唇が
ゆっくり開いた。
「まさ…き?」
「あ、起きたね。」
翔ちゃんを抱き起こして、
取り合えず座らせる。
時刻は深夜二時。
普段なら寝てる時間。
「んん?…あ、そっか…」
翔ちゃんも状況を理解したのか、
なにかぶつぶつと唱えている。
「翔ちゃん、帰ろ。」
「あー、…嫌だ。」
「え?」
「まだ帰んない。
帰りたくないし。」
そう言って畳の上にごろーんっと
寝っ転がる翔ちゃん。
…喧嘩したからって
帰んないのはちょっと…。
「潤に会いたくない。
絶対嫌だもんねーだ。」
べえっと赤い舌を出して、
まだ残ってるビールを
飲み干す翔ちゃん。
…えぇ、俺が困るんだけど…。
早く帰らないと、
ニノが心配するだろうし…。
…あ、でも、ニノも
俺を心配させたから、
ちょっとくらい
心配かけても…いいよね?
「あーもう、仕方ないな。
でも…この時間じゃ、ねぇ?」
「んー、どうするー?
あ、雅紀んち行こうよ。
どうせ誰もいないでしょ?」
…いるかも、しれませんけどね。
ま、いいか。
そしたら…ニノも一緒に
飲めばいいもんね。